〈 朋哉句集二 自選15句 〉
平凡なはうれんさうのごまよごし
落ちてゐるものを椿とおもふなり
エイプリルフール曇りつぱなしかな
緑陰の中の日向を見て通る
子にものを教へることの蒸し暑く
かきまぜてみてもきれいな蜜豆よ
昼寝の子簡単な顔してゐたる
立ち上がるときに夜長と思ふなり
秋の雨ビニール傘の上に降り
いい雲の出てゐる秋の彼岸かな
運動会親子歩いて帰りけり
あたたかき干柿のまだ干してあり
思ひ出す冬日はいつもこのあたり
雪の日の昼のなかなか長かりし
喜んでくれる人なし雪うさぎ