朋哉句集三 自選15句

〈朋哉句集三 自選15句〉

はうれん草隅にやつぱり除けてある

春の川日の照つてゐてつまらなく

夕方は子と散歩して子供の日

こころもち大きな方の柏餅

ピンポンをしたり団扇であふいだり

噴水の上にも雨の降つてをり

片方の足上げてゐる昼寝かな

ちりぢりに飛んで黄色や秋の蝶

雨傘の中に子供と話す秋

柿甘きことをわざわざ言ひに来て

顔洗ふ水の出てくる寒さかな

隅々に炬燵の上を知り尽くし

風邪薬飲むとき水の味のして

雪まろげ土をはがして止まりけり

夕方は氷が見えて星が見え